十回裏楽天2死二塁、島内はサヨナラ打を放つ=時事
(21日、楽天4―3オリックス)
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「ヒット1本でヒーローになって、いいのかなって感じです」。殊勲の一打に、楽天の島内はお立ち台ではにかんだ。
延長十回。先頭の聖沢が左前安打を放ち、1死を挟んでベテランの細川が投前に犠打を決めて2死二塁と好機を広げた。それまでの4打席で全て内野ゴロに倒れていた島内は、「絶対に食らいつこうという思いだった」。
オリックスの守護神・平野は外角低めに直球と変化球を集めた。際どいコースにバットを出してファウルに逃れる。そして9球目。真ん中低め、それまでより少しだけ甘かったフォークを引っ張って右前へ。昨年8月以来、自身3度目のサヨナラ安打とした。
「僕も疲れていたし、チームのみんなも疲れていたと思う。あそこで試合を決められてよかった」
前半戦に2連戦が多かった分、後半戦はスタートから7週続けて6連戦の厳しい戦いを強いられている。さらに前日は4時間超の接戦の末、日本ハムに延長十一回サヨナラ負け。チームはこの日午前に空路で仙台に戻る強行日程だった。
それでも27歳は、いつも通り誰よりも早く球場に出てきて、バットを振り込んでいた。「練習をして打てなかったら、それは仕方ない。とにかく1年間、がんばり抜く」。不動の1番だった茂木が右ひじのけがで6月半ばに離脱。代役を任される“練習の虫”が、パの首位チームを引っ張る。(松沢憲司)
○梨田監督(楽) サヨナラ負けの翌日にサヨナラ勝ち。「これは大きい。選手は疲れていただろうが、よく戦った」
○ウィーラー(楽) 五回にチーム初安打となる21号ソロ。「ノーヒットできていたので、まず1本打ちたいと思っていた」
○岡島(楽) 八回、左越えに同点ソロ。「打った瞬間にいいところには行くと思った。ギリギリだったけど入ってよかった」