南北海道大会 北海―東海大札幌 九回表北海無死二塁、多間が左前に決勝点となる勝ち越し適時打を放つ=札幌円山、豊間根功智撮影
(23日、高校野球南北海道大会 北海6―5東海大札幌)
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いきなり5点を奪われた。しかし、昨夏の甲子園で準優勝した北海は、あわてない、焦らない。南北海道大会決勝。三回、長短5安打を集める打者9人の攻撃で、まず3点を返す。五回は犠飛で、もう1点。六回、二塁打の鈴木大を犠打で進めて、3番・川村が適時二塁打。ついに追いついた。
投げては三回途中から救援した左腕の多間が、六回まで1人の走者も許さず、試合を引き締めた。「大量リードで、相手にはスキが生まれる。そこを突いていく。自分は目の前の打者に集中するだけだった」と多間。九回、自身が放った適時左前安打が決勝打となった。
昨夏の準優勝メンバーが、7人も残る。鈴木大も、川村も、多間もそうだ。しかし、甲子園から戻り、新チームとして最初の公式戦となった秋季大会の札幌地区予選は1回戦で負けた。相手は、この日、決勝を争った東海大札幌。「東海に負けて始まって、最後も東海。雪辱を果たせた」と主将の佐藤は胸を張る。
優勝が決まったとき、マウンドに集まった選手たちは、札幌の青空に向かって、次々と握り拳を突き上げた。人さし指は立てない。「人さし指を立てるのは駒苫(駒大苫小牧)が始めたヤツですから。僕ら北海がマネをするわけにはいかない」とマネジャーの高橋。3年連続38回目となる甲子園でも、今度こそ、握り拳を突き上げてみせる。(山下弘展)