稲田朋美防衛相は28日、南スーダンの国連平和維持活動(PKO)をめぐる日報問題の監督責任をとり、辞任した。
特集:稲田防衛相辞任
「人事は国益にかなうかどうか冷酷であるべきだ。かばいすぎ、深追いしすぎのそしりは免れない」。自民党石破派に属する鴨下一郎元環境相は28日、TBSの番組収録で稲田氏を重用してきた安倍首相の対応を公然と批判した。「安倍1強」のもとで抑えられていた不満や不平が、いま一気に表面化している。
首相は昨年8月の内閣改造で、防衛相という安全保障政策のかじ取り役に、この分野では知られていない稲田氏を自民党政調会長から抜擢(ばってき)。首相周辺でさえ「稲田氏の名前を聞いた時にはのけぞった」と語り、この起用は驚きをもって受け止められた。
それでも、首相は周辺に「防衛相という大変なポストを経ることは、首相をめざすうえで重要になってくる」と稲田氏を擁護。就任後、物議を醸す言動を繰り返したうえ、日報問題をめぐって防衛省・自衛隊内が混乱しても、「いま稲田さんを罷免(ひめん)すれば衝撃が大きい」とかばい続けた。
だが、都議選で自民党が歴史的…