後半4分、先制のゴールを決めたポドルスキ(左)=水野義則撮影
(29日、神戸3―1大宮)
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神戸の夜は、ポドルスキの独壇場だった。「言葉にできないくらいうれしい」。デビュー戦で2得点。元ドイツ代表は、自身の価値を最高の形で証明した。
まずは0―0の後半4分、ペナルティーエリアの外でパスを受けると、振り向きざまに代名詞の左足を振り抜いた。強烈なシュートがゴール右隅へ。両腕を広げ、約2万人の観衆と喜びを分かち合った。
さらに同点に追いつかれた直後の17分、今度は大森の右クロスに反応。182センチの体を伸ばし、DF2人に競り勝って頭で合わせた。「重要なゴールを決められて良かった」。勝利への執着心を常々明かしていた32歳にとって、喜びもがひとしおの決勝点だった。
ワールドカップに3回出場し、2014年のブラジル大会では優勝も経験した。代表では通算49得点。これまでJリーグに来た外国人選手の中でトップクラスの実績を誇る。
それでもおごりはない。6日の来日以降、トップチームがオフの日にも練習場に顔を出した。蒸し暑い環境に順応すると同時に、若手にも英語で意思疎通を図り、チームに溶け込んだ。
開幕4連勝で一時は首位を走りながら、決定力不足に悩み、9位まで下降したチーム。推定年俸6億円で加入したストライカーは何よりも得点を求められている。「プレッシャーも力に変えたい。コンディションはどんどん良くなるはず」。背番号10への期待はますます膨らむ。(岩佐友)