天理―明豊 一回表天理2死、山口が左越えに本塁打を放ち、塁をまわる=細川卓撮影
(20日、高校野球 天理13―9明豊)
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■天理・山口乃義(だいき)
1大会の最多本塁打数を塗り替える一発は、8番打者のバットから生まれた。
一回、目の前で7番安原が最多に並ぶ今大会60号を放った。「流れに乗って出塁しよう」。内角への変化球を振り抜くと打球は左翼席へ。「試合前に自分らで(新記録を)いけるんちゃうかと言っていたけど、まさか自分とは」。高校通算7本目。公式戦初アーチに驚きの声をあげた。
守備力を買われ、1年夏から背番号15で甲子園のベンチに入った。その後は主力だったが、3年生になった今春、背番号は2桁に。出塁を考えて、球を見ていくタイプ。それが、積極的な打撃を求める中村監督には物足りなくうつった。
「試合に出してもらうために開き直って、どんどん振った。死にものぐるいでやった」。いま背番号4。六回にも3点本塁打を放ち、「監督にナイスバッティングと言ってもらった。最高の結果が出せた」。
3回戦は延長十一回に決勝適時打を放ったラッキーボーイ。今日の採点は「100点と言いたいけれど、(三回に)バント失敗があったので99点です」。笑顔は満点だった。(上山浩也)
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○中村監督(天) 優勝した72回大会以来、27年ぶりの4強進出。「監督になって2年目でうれしい。打ち勝ったことを褒めてあげたい。次戦も最大限に力を発揮してほしい」
○杉下(天) 6打数4安打の2番打者。「監督から『堂々といけ』って言われて、最初の打席から思いっきり相手に向かっていきました」