京都5区の構図
政界引退を表明した自民党の谷垣禎一前幹事長の選挙区、京都5区が揺れている。自民は谷垣氏の後継に京都府議の擁立を決めたが、小池百合子・東京都知事が率いる新党「希望の党」も元防衛官僚を擁立する動きを見せる。
特集:2017衆院選
安倍晋三首相は9月30日夕、衆院解散後初めての地方遊説で、京都5区の舞鶴市を訪れた。隣には、谷垣氏の後継候補に選ばれた府議の本田太郎氏(43)。安倍首相は「北朝鮮の脅威から、いかにして日本を守るか。谷垣先生最後の選挙という思いで一緒に戦っていこうではありませんか」と聴衆に呼びかけた。
舞鶴市は海上自衛隊にとって日本海の重要拠点だ。「国難突破」を掲げて解散に踏み切った首相にとって安全保障政策をアピールする格好の土地だが、この地を重要視するもう一つの理由には、活発な動きをみせる希望の党の存在がある。
希望は早くから京都5区に元防衛官僚の井上一徳氏(55)を擁立する準備を進めてきた。井上氏は舞鶴市出身で、沖縄防衛局長も務めた防衛のプロ。国家安全保障問題担当の首相補佐官時代の小池百合子氏に仕えた。
自民側には苦い記憶がある。2…