付近のコインロッカーは使用中ばかり。大きな荷物を持ち歩く訪日観光客はお疲れの様子=JR秋葉原駅
外国旅行では、大きな荷物に気を取られて思うように楽しめないことも多い。日本を訪れる外国人観光客が急増する中、「手ぶら観光」を楽しんでもらおうと荷物を預かったり配送したりする新サービスが広がり始めた。普及すれば、参入企業以外にも「プラスアルファ」の効果が期待できそうだ。
スーツケースを引いた外国人観光客が数人、構内を歩き回っている。彼らが目を皿のようにして探しているのは、コインロッカーだ。
9月下旬の昼、東京・JR秋葉原駅1階にある超大型ロッカー約10個はすべて使用中だった。クールジャパンを象徴し、外国人観光客にも人気の街では、週末を中心にこんな光景が繰り返される。
背景にあるのは個人客の増加だ。観光目的で訪日する外国人のうち個人が占める割合は7割を超える。この3年、全体数が伸びる中で10ポイント以上増えた。個人客は団体と違い、荷物は自分で管理しなければならない。一方、広さに限りがある駅構内のコインロッカーの増加数はわずかにとどまる。
政府は2020年に訪日客を4千万人に増やす目標を立てる。もくろみ通り、消費額の多い長期滞在客の割合が高まれば、大きな荷物を抱える外国人が今よりも増える。観光地からは、「すでに混雑しているバスや電車が余計に混雑している」(京都市の担当者)として、対策を求める声も上がっていた。
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