12日の練習後、円陣を組む神戸製鋼の選手ら=有田憲一撮影
次々と本業での不正が発覚する神戸製鋼。ラグビー部はここまでトップリーグで6勝1敗と好調で、14日には大阪・万博記念競技場でパナソニックと戦う。14季ぶりの優勝を狙うチームに不祥事が暗い影を落とすなか、選手らは「まずは自分たちは目の前の相手と戦うしかない」と口にした。
会社側からは、今回の不正が最初に明らかになった直後の10日の練習前に担当者が訪れ、選手やスタッフに対して「今後も変わらず支援していく」との説明があったという。
12日の練習の後には、主将のFL前川鐘平が「会社の一員として僕らも責任はある。周囲もそういう目で見る」と神妙な面持ちで語った。新人ながら主力で活躍するCTB重一生は「社員として何ができるか、自分も考えなければならない」と話した。
豪州代表アシスタントコーチの経験もあるジム・マッケイヘッドコーチ(HC)が就任2季目となる今季。キックに頼らず球をつなぎ続けるラグビーは浸透し、今季は防御面が大きく成長した。球を奪ってから攻撃への切り替えが速くなり、「選手の戦術への理解度が進んだ」とマッケイHC。ここまで7戦全勝のパナソニックに挑む直前に、不祥事が発覚した。
前川は「落ち込んでいる社員の方々の力にもならなければならない」と12日に語ったが、その後、騒動がさらに大きくなった中で、大一番を迎えることになった。
神戸製鋼は1980年代から90年代にかけて日本選手権7連覇を果たした名門。13日現在、勝ち点28で、レッドカンファレンスではサントリー(勝ち点34)に次いで2位につけている。パナソニックは勝ち点35でホワイトカンファレンス1位。(有田憲一)