日米経済対話の冒頭で握手をする麻生副総理(左)とペンス米副大統領=16日、ワシントン、代表撮影
麻生太郎副総理とペンス米副大統領による日米経済対話の第2回会合が16日、米ワシントンで開かれ、ペンス氏は日米間の自由貿易協定(FTA)に強い関心を示した。焦点だった米国産冷凍牛肉に対する緊急輸入制限措置(セーフガード)の見直しは結論を先送りした。
ペンス氏はFTAについて、4月の初会合後の記者会見で意欲を示していたが、会合の中で言及したのは初めて。貿易赤字を問題視するトランプ米大統領の来日を11月に控え、対日圧力が強まる可能性もある。
対話は予定を20分上回る約110分間開かれた。米国側はムニューシン財務長官やロス商務長官、ライトハイザー通商代表らも参加した。
日本政府によると、ペンス氏は対話の中で日米FTAに言及し、「強い関心が示された」(外務省幹部)。対日貿易赤字も話題になったが、赤字削減の要求はなかったという。
これに対し、麻生氏は、米国が離脱を表明した環太平洋経済連携協定(TPP)の重要性を強調。二国間交渉を重視する米国との溝が改めて浮き彫りになった。米国が求める冷凍牛肉に対するセーフガードの見直しについても、日本側は運用変更で理解を求めたとみられるが、今回は合意には至らず、引き続き協議することになった。
対話後に出された共同発表文に…