〈アンケート〉わたいしの未来 2017衆院選
デジタルアンケートと「声」へ、合わせて700以上の「わたしの未来」が寄せられています。まずは「声」に届いた様々な意見から。いよいよきょうは22日、衆院選の投票日になりました。
【アンケート】わたしの未来 2017年衆院選
■ダブルワーク 普通に
10年後、私は67歳になっている。就職した頃、日本の終身雇用制度はいずれ無くなるといわれていた。同期入社のうち、転職せずに定年を迎えるのは半分にも満たない。私も将来の進路を真剣に模索している。
今は体も元気で意欲もある。慣れた職場で雇用延長するよりも、新しい事にチャレンジしてみたいが、一歩を踏み出す勇気が出ない。
そこで、私はダブルワークが今よりも普通に実現できる社会であって欲しいと願う。失敗してももう一つの仕事があれば生活のリズムや収入においてのダメージを半減させられる。そんな仕組みを望みたい。(東京都 会社員 鈴木実・57)
■留年しても奨学金を
母子家庭に育った息子は、国立大学医学部で医師を目指しています。経済力のない私は、仕送りできず、息子は奨学金とアルバイトで生活費をやりくりしてきました。4年生までに必要な単位を全て修得しましたが、5年生に進級する際の試験をクリア出来ずに留年しています。
一般的に留年すると奨学金も金融機関の教育ローンも借りられなくなり、複数のバイトをすることになります。息子は親に不平不満を言わず努力しています。留年した学生も借りられる奨学金制度にし、社会人となって納税義務を果たせるように助けてほしいのです。(福岡県 タクシー運転手 田中律子・61)
■次世代への投資こそ
10年後も、社会保険料や税金の納めがいのある社会であって欲しい。限りある財政の中で、使途や配分をもっと「次世代への投資」を基準として検討して欲しいのです。
社会保障制度は、私たちが年をとり満足に働けなくなった時の支えを、次世代の人たちに求めています。私たちが将来にわたり安心した生活を送るためには次世代の力が必要なのです。
子どもを育てているとつくづく、教えるより教わることの方が多いと感じます。そんな純粋で率直な子どもと真正面から向かい合い、ぶつかり合う時間と余裕をください。(長野県 会社役員 大井友浩・40)
■結婚・出産できるのか
10年後、30歳になる。バリバリ働いていたいし、結婚や出産も考える時期になっているだろう。しかし、今の日本のままでは不安がある。
今借りている奨学金を、その頃まだ毎月返しているはずだ。結婚相手も同じだったら? 子どもができても保育所に入れなかったら? 仕事を再開できず収入は減るのに、子育て費用に加えて延々と続く奨学金の返済。それを考えると、結婚も出産も無理ではないか。すごく不安だ。
同じような気持ちの若者は多いと思う。若者目線で考えてくれる政治、一緒にこれからの日本をつくってくれる政治を強く願う。(大阪府 大学生 花村野乃香・20)
■外国人 暮らしやすく
コンビニエンスストアや工事現場などで、外国人が働く姿をよく見かけるようになった。高齢化と将来の人口減少により人手不足が予測される日本社会で、外国人労働者の受け入れは必要不可欠だ。日本に住む外国人は今後も増えるだろう。
10年後に向け、外国人労働者とその家族を受け入れる態勢を整えるべきだと思う。共に働き隣人として暮らすとなると、摩擦が生じることもあるだろう。しかし、異文化理解を深めることが、外国人も暮らしやすい社会につながるのではないか。人口減少は私たち世代に大きく関わってくる問題だから、直視したい。(愛知県 大学生 山本あゆみ・19)
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■各世代 熱帯びる意見
10年後の自分を思い、いま必要な決断は。朝日新聞デジタルのアンケートにも、10代から80代まで、様々な意見が集まりました。一部を紹介します。
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・むしろ若者に甘いのでは
「10年後は親の介護をしているか単身で暮らしているかです。若い子育て世代に配慮をと言われますが、私の近辺では若者に甘く、定年が近い50代や嘱託の60代に手厚くはありません。若い子は時短でも正社員、一度辞めて再就職した中高年はパート、している仕事は経験のある中高年の方が中身が濃かったりしても、将来性のある若い子が大事にされます。一度辞めても再就職しやすい社会が理想です。また、少子化だからといって子どものいない人が肩身が狭くなったり仕事で負担を抱えたりしないよう、配慮が必要なのではないかと思います」(兵庫県・50代女性)
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・未来ある若者潰さないで
「10年後の自分は、もう大人になっています。社会に出ている年齢です。けれど私たちの耳に入ってくることは過労死とか時間外労働とかの心証に悪いことばかりです。本当にうんざりします。未来ある若者を潰してなにが楽しいんでしょう?」(神奈川県・10代女性)
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・豊かでゆとりある教育を
「モノの豊かさよりもコトの豊かさの価値の高い未来になっていてほしい。最も望むのは、豊かでゆとりのある教育の実現。例えば、大学には本当に学びたい者だけが進学し『就職予備校』のような大学から脱却してほしい。そのために、大卒者と高卒者の賃金格差のない社会を望む。これにより高卒人口が増え、労働者不足の解消や、大学の奨学金問題の解決が可能になる。ただし、社会に出てから希望者には学び直しが可能なように社会人入試制度をより整備し、学費の一部を企業が負担するような流れを期待する。こうした考え方は、学力偏重社会を是正し、受験教育にこだわらない教育の実現を可能にすると思われる」(鹿児島県・40代女性)
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・安心・安全策は現実的に
「子供を不自由なく安心して育てる環境がもう少し充実してほしい。私にとって今は子育てが全てなので、それに関わる経済や仕事、教育もろもろをもっと良くしてほしい。そして安心、安全に暮らせる街づくり。街中でのトラブルに無縁の国造り。他国からの脅威にさらされない国造り。子供たちに安心安全を託せるシステムが必要。理想や空論はいらない。より現実的なものを望む」(神奈川県・40代男性)
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・大事なものを突き詰める
「66年の人生を振り返ると、私自身も、これまでの日本の社会も世界も、結局お金最優先で走ってきたような気がします。その結果が、他人のいやがることをやってもさほど痛みを感じないような今の日本と世界の姿なのかと思う。その反省の上で未来のためには、『自分の人生と社会にとって、本当は何が一番大切なのか、お金なのか名誉なのか心なのか?』を、どこまでも真摯(しんし)に問い続ける社会に変わってほしいと思います。そのためには、選択する前提条件として、一貫した信念を訴え続ける人であるか否かを知りたい。そして自分の名誉や地位のためでなく、人を大切にする人物、もちろんうそつきは論外です」(静岡県・60代男性)
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・意識する「私たちの日本」
「いつまでも安全・安心な日本であってほしい。でも今の安全性に怠けず、それを維持させるために私たち若い世代も政治に、今の世界の現状に、もっと興味をもつべきだと思う。10年後はそんな『私たちの日本』という意識が今より強まっていたらいいと思う」(京都府・10代女性)
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・子育てとの2択ではなく
「5歳の娘がいます。女性がキャリアか子どもかを選択しなければならないような社会ではなく、家族をもちながらキャリアを普通にのばせる社会になってほしい」(長野県・30代女性)
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・日本よ、美しく年をとれ
「1.全てのサラリーマンについて、正規・非正規の区別を無くし、給与は同一労働同一賃金を徹底する。労組は、企業別ではなく、欧米と同じように職能別の組織に改めるべきである。2.世の中が金子みすゞの言う『みんな違って、みんないい。』という風潮に変わって欲しい。長年人間をやってきたが、世間による同調意識の強要にはホトホトくたびれた。3.中国や米国におけるようなガツガツした拝金思想が、日本でも勢いを増しつつあるのを憂慮する。残り少ない人生において私が願うのは、『日本よ、美しく年をとれ』ということである」(千葉県・80代男性)
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・子どもの貧困は解消して
「少子高齢化の深刻さは理解しており、憲法やオリンピックも経済も大切なことは分かっている。それでも子どもの貧困の解消を強く求める。子どもは社会で最も不自由な存在であり、彼らにあまねく機会の平等は実現させるべき」(東京都・20代男性)
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・新発想のビジネスが必要
「古い規制は改善もしくは撤廃し、新しいアイデアに基づくビジネスや、NPOなどの市民活動が活発になってほしい。より柔軟で、枠にとらわれない考え方が受け入れられる風土、雰囲気、制度、社会システム、教育を推し進める政党、政治家を選択することが必要」(兵庫県・50代男性)
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■一般に託した思いなど 25日までご意見を
「声」と共に引き続き、今回の衆院選にまつわる意見を募ります。あなたはどんな思いを一票に込めましたか。選挙戦を通じて何を感じ、結果をどう受け止め、今後、何が必要だと考えますか。25日までに以下の宛先へお寄せください。「声」欄に掲載希望の場合は、住所、氏名、年齢、性別、職業、電話番号をお書きください。
【回答先】
〒104・8661 東京・晴海郵便局私書箱300号 朝日新聞「声」
FAX 0570・013579 または 03・3248・0355
メール
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ご意見は
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