年々人気が高まるハロウィーン。クリスマスに次ぐ一大イベントを、新たな商機とみる企業が増えている。カップ酒からペット用品まで、今年もハロウィーン限定の関連商品が相次いで登場している。

酒造大手の大関（兵庫県西宮市）は９月、日本酒「ワンカップミニ」のパッケージをハロウィーンのカボチャにして初めて売り出した。おなじみの青地のパッケージから大きくイメージチェンジし、狙うは若者需要だ。広報は「『おじさんの飲み物』というイメージが強いが、ハロウィーンのパーティーシーンにカップ酒が入っていけたら」。

日本記念日協会の推計では、昨年のハロウィーンの市場規模は１３４５億円だった。初めてバレンタイン市場を抜き、クリスマスに次ぐ２番目に高い額になったという。ユニ・チャームはイベントとして定着し、商戦も長期化しているとみて、カボチャとお化けをあしらったハロウィーン限定の紙おむつ「マミーポコ」を７月から売り出した。売れ行きは好調で、すでに限定数量の出荷を終えたという。犬のおしっこ用シート「デオシート」でも、今年からハロウィーン限定商品を売り出した。

日用品メーカーのエステーは、消臭芳香剤「消臭力（りき）」のハロウィーン限定商品を発売。通常はパッケージの前面に商品名を大きく記しているが、限定商品のパッケージでは、商品名より「ＨＡＰＰＹ ＨＡＬＬＯＷＥＥＮ！」の文字の方が目立つ。「ふだん芳香剤売り場に来ないお客様にも来てもらいたい」（広報）と期待する。

鶏卵生産販売大手のイセ食品（埼玉県鴻巣市）は、もともとオレンジ色の「森のたまご」のパッケージを生かして限定商品を発売した。「季節感のない卵という食材でも、ハロウィーンというフックで消費を喚起できる」とみる。（牛尾梓）