草間彌生=東京都新宿区弁天町の草間彌生美術館、山本裕之撮影
世界で人気の前衛芸術家・草間彌生(やよい、88)の初の個人美術館が、東京・早稲田にオープンしてから1カ月。完全予約制で、開館記念の「創造は孤高の営みだ、愛こそはまさに芸術への近づき」展のチケットは12月分まで完売する人気だ。これまでに3500人超が訪れ、水玉や網目、鮮やかな色彩にあふれた絵画やインスタレーションを楽しんでいる。
10月1日に開館した個人美術館は、作家の悲願だった。オープン前の9月26日にあった内覧会に登場した草間は、「世界の愛と平和のために芸術をもって闘っていく私の志を見て頂きたい。美術館を最大の愛をもって一生愛して欲しい」とあいさつ。続くインタビューでは、「私の死後も、熱烈なる愛と平和への希望の思いを、みなさんに継いでいただけたらうれしい」と話した。
来年2月まで開かれる開館記念展では、45点が展示されている。
鏡張りの部屋でカボチャのオブジェが明滅する新作インスタレーション「無限の彼方(かなた)へかぼちゃは愛を叫んでゆく」のほか、カラフルなアクリル絵画「わが永遠の魂」シリーズや、モノクロのシルクスクリーン版画「愛はとこしえ」シリーズなど。屋上には、陽光を浴びて金色に輝くカボチャの立体作品「Starry Pumpkin」もある。
赤坂サカスなどを手掛けた久米設計による地上5階、地下1階のビルは、外観も展示室も白を基調にした。緩くカーブした壁面や、高い天井による開放感あふれる空間で、ゆったりと作品を鑑賞できる。
1階には物販コーナー、5階に…