スペインのバルセロナで10月26日、声明を発表するプッチダモン氏=AFP時事
スペインの裁判所は3日夜、スペイン北東部カタルーニャ自治州の独立運動を主導し、反乱罪などに問われているプッチダモン前州首相ら元州幹部に対する逮捕状を出した。ベルギー・ブリュッセルに滞在している同氏は法的に抵抗する構えを見せており、スペインへの身柄の移送には時間がかかりそうだ。
カタルーニャ前首相らに逮捕状請求 身柄拘束の可能性も
AP通信によると、スペイン当局から逮捕状を受け取ったベルギー検察当局者は「精査する」と話した。
欧州連合(EU)には加盟国間で同じ効力を持つ「欧州逮捕状」という仕組みがある。スペイン当局の依頼を受けたベルギー当局は逮捕状を執行し、プッチダモン氏を拘束できる。ただ同氏はベルギーの法制度に従って異議を申し立てることができる。この場合、スペインへの引き渡し手続きは最大2カ月程度かかる見通しだ。
同氏は3日、ベルギーのテレビに出演し、ベルギーの司法当局に協力する考えを示した。また12月21日に設定された州議会選挙に立候補する意思を鮮明にしたうえで「選挙活動はどこからでもできる」と語った。
プッチダモン氏ら元州幹部には最高で懲役30年の反乱罪などの容疑がかけられている。正式な捜査対象とするため裁判所が出頭を求めていたが、同氏らは拒否していた。(バルセロナ=下司佳代子)