7日、代表の強化合宿に参加した宇都
24日から始まるバスケットボール男子の2019年ワールドカップアジア地区1次予選に向けた日本代表候補に、富山のポイントガード(PG)、宇都直輝(26)が初選出された。Bリーグ初年度の昨季は、ファン投票による「モテ男」1位に選ばれるなど人気やルックスに関する話題が先行したが、「実力も証明したい」と地道に努力してきた成果が表れつつある。
「(自分を)選ばざるを得なかったと思います」。7日の代表合宿後、宇都は言った。昨季はリーグのアシスト王を獲得。今季は10日現在、アシストランキングは1試合平均6・5本で1位、得点も日本人1位となる同15・3点をマークしている。初招集は当然だと自負している。
専大を経て3季プレーしたA東京から、昨季富山へ移籍。Bリーグ開幕年でメディアへの露出が増えたおかげで涼しげなルックスがSNSなどで注目され、女性ファンが急増。リーグが今年のバレンタインデーに向けてファン投票を募った「モテ男」で3065票を集め、1位に輝いた。年間表彰式でも「イケメン選手賞」も獲得した。
本人は「人気が実力より先に注目されてしまった。人気だけの選手だと言われるのは嫌だったので、実力も証明したかった」。富山は昨季、旧NBL勢との戦力差に苦しんで低迷したが、宇都はPGとしてリーダーシップを発揮し、なんとか降格を回避した。
191センチの大型PG。167センチの富樫勇樹(千葉)や、ともに178センチの篠山竜青(川崎)と橋本竜馬(三河)ら他のPGの代表候補と違い、ゴール下まで攻め込んだり、リバウンドに絡んだりできるほか、守備でもアドバンテージが大きい。
「ミニバスの頃からポジションが定まったことがない」といい、大学時代もセンターも含めてすべてのポジションを経験。PGの枠に納まらない独特の攻撃スタイルを身につけた。日本代表のラマス監督も「彼のプレースタイルも身長も、チームにとってプラス。ほかの選手のためにクリエーティブなプレーができる選手」と評価する。
代表候補初選出で、司令塔としては戦術を理解するための時間が短いことが課題だが、「Bリーグで対戦する中で選手の特長はつかんでいる。他の4人の力を引き上げるのが僕のPGとしてのやり方」と自信をのぞかせる。さらに自身の人気も踏まえて、強気にこう語った。「日本代表が勝てていない中、僕みたいな影響力のありそうなPGがチームを引っ張れば日本のバスケットがすごく盛り上がる。だから今は代表に入ることが目標です」
W杯アジア地区1次予選は24日に東京・駒沢体育館でフィリピン戦、27日にアウェーで豪州戦が行われる。日本協会は8日に宇都ら24人を予備登録メンバーに選出。各試合の前日に最終メンバー12人を決める。(伊木緑)