優勝し、マウンドでガッツポーズをして喜ぶ日体大の東妻
(15日、明治神宮大会決勝 日体大3―0星槎道都大)
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両手を上げてマウンドで何度も跳びはねて喜んだ。日体大の東妻が2安打完封の快投。「100点の投球ができました」と満面の笑みだった。
初戦の九州共立大戦は七回から救援し、150キロ台の速球で攻め、打者11人で9三振を奪った。だが、この日は最初は緊張して調子が良くなかった。その分、丁寧な投球を心がけた。「力まないように注意して低めを意識した」。140キロ台の直球とスライダーを投げ分け、相手を翻弄(ほんろう)。星槎道都大の山本監督を「直球と変化球の見分けがつかず、タイミングを取るのが難しかった」と悔しがらせた。
今大会は松本(3年、明石商)との同学年の二枚看板で勝ち上がってきた。しかし、昨年の東妻には、今の活躍は想像できなかった。今年の目標に「打倒松本」と書いて古城監督に提出したぐらいだ。
昨春のリーグ戦後に右肩と右ひじを痛め、約2カ月間投げられなかった。その間、下半身を鍛えた。すると、制球が安定し、今春のリーグ戦で最速152キロと急成長した。
前日の準決勝は松本が4安打完封。自身も負けじと火がついた。「自分もやってやる、という気持ちだった。松本がいるから気持ちが引き締まった」。良きライバルから刺激を受け、優勝投手に登り詰めた。(橋本佳奈)