後半、決勝ゴールを決める浦和のラファエルシルバ=関田航撮影
(25日、サッカー・ACL決勝 浦和1―0アルヒラル)
浦和、ACLで10年ぶり2度目の優勝 アルヒラル破る
一瞬のチャンスを見逃さなかった。
0―0の後半43分。浦和MF武藤雄樹からの縦パスに、MFラファエルシルバが反応する。ボールをとらえると、相手DFの間をすり抜け、敵ゴール前へ。豪快なシュートで試合の流れを決定づけた。
アウェーゴールを取っていたため、この試合は0―0でも優勝できる。しかし受け身に回れば、敵地での第1戦のように相手の猛攻にさらされ、常に劣勢に立たされる。「積極的にボールを奪い、保持したい」と浦和の堀孝史監督。逃げ切る作戦に出なかった。
高い位置からプレスを掛け、相手に隙あらば、どんどん仕掛けた。開始直後、FW長沢が高い位置でボールを奪い、見せたシュートがそれを象徴していた。
決勝点を挙げたラファエルシルバも、本調子ではなかった。第1戦の途中に右足を負傷。この試合でも動きは鈍く、守備の場面で相手を追い切れなかった。しかし、このブラジル人MFを、アルヒラルの守備陣が脅威に感じていたのを堀監督はわかっていた。フル出場させることで、相手に重圧を与え続けた。
守備一辺倒だった第1戦を終え、選手同士で「この戦い方は本当の自分たちの姿ではない」と話しあったという。0―0の引き分けを狙うのではなく、攻撃的なサッカーを貫く。そんな姿勢が体現されたのが、試合終了間際のゴールだ。だからこそ、DF槙野智章は誇った。「このチームの本当の姿を見せられた」(河野正樹)