札幌市東区の路上で25日夕、20代の女性が何者かに背中を包丁で刺されて重傷を負う事件があり、北海道警は中学1年生の少年(12)が殺人未遂の非行事実を認めたため、要保護児童として同市児童相談所に通告したと27日に発表した。通告は26日。少年は「人を傷つけたい気持ちがあった」と話しているという。
20代女性が路上で背中刺される、容疑者は逃走 札幌
26日に捜査員が近くの商業施設で、容疑者に特徴が似た少年を見つけ、事情を聴いていた。当初は否認していたが、認めたという。少年の自宅からは凶器として使われたとみられる包丁のパッケージが見つかったという。
道警によると、少年は25日午後5時55分ごろ、包丁で同区の20代の会社員の女性を刺して殺そうとしたとされる。女性は背中に深い刺し傷があり、全治1~2カ月の大けがを負った。
現場は丘珠(おかだま)空港西側の住宅街。女性は徒歩で帰宅中で、背中を刺された後に助けを求めた。女性が倒れ込むのを通行人が見つけ110番通報した。女性は厚手のコートを着ていたが、背中に包丁が刺さった状態だったという。
近所の女性(24)によると、25日午後6時ごろ、サイレンの音がしたため、ベランダから外を見ると、数人が集まる中、背中を丸めてうずくまる女性がいた。介抱する人の声かけに、女性は何度かうなずいていたという。
14歳未満の触法少年は、少年法により刑事責任を問われない。一般的には、補導した警察が児童相談所に通告し、児童相談所長らが家庭裁判所に送致するかどうか判断する。2007年に成立した改正少年法などにより、少年院に送致できる年齢が「おおむね12歳以上」に引き下げられた。