ホンジュラスのテグシガルパで1日、道路を封鎖するために看板を倒す野党支持者ら=AP
中米ホンジュラスで11月26日に行われた大統領選を巡り、開票作業が続く中、2期目を狙う現職大統領と野党候補の双方が勝利宣言をして譲らない事態になっている。野党側が「開票で不正がある」として抗議デモを呼びかけ、市民と治安部隊が衝突。少なくとも3人が死亡した。政府は1日に夜間外出禁止令を出した。8年前にクーデターが起きた同国の政情悪化が懸念されている。
任期満了に伴う大統領選で勝利宣言したのは、右派の現職エルナンデス大統領(49)と、野党連合が推すテレビ司会者で中道のサルバドル・ナスララ氏(64)で、両者とも投票日夜に勝利宣言した。
事前の世論調査や出口調査ではエルナンデス氏が優勢。当日発表された開票率57・19%の最初の中間発表では、ナスララ氏が得票率で約5ポイント上回り、逆転はあり得ないとみられていた。開票作業は早ければ同日終わる予定だった。
ところが、30時間以上の開票結果の更新停止後の29日になってエルナンデス氏が逆転。3日時点では開票率94・35%で同氏が約1・5ポイントリードしている。
報道によると、ナスララ氏は「選管は大統領の圧力を受けている。開票に不正がある」と批判。これを支持する市民らが首都テグシガルパなどで治安部隊と衝突する事態になった。治安部隊が催涙ガスなどで制圧し、エルナンデス氏は午後6時~午前6時の外出を10日間にわたって禁止した。
同国憲法は大統領の再選を禁じ…