NHK放送センター=東京都渋谷区
NHKの受信料制度について最高裁の合憲判決を受け、NHKの上田良一会長は7日の定例記者会見で、契約・徴収業務の変更はしない方針を示した。「従来のやり方を認めていただいたという理解だ。制度の意義を丁寧に説明して、公平負担の徹底に努めるのが大事なことだ」と述べた。
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6日の最高裁判決は事実上、受信料支払いを義務づける判断を示す一方、契約を拒む人については提訴して、承諾の意思表示を命じる判決を得るようNHKに求めた。上田会長は「公共放送としての役割を果たしているとの信頼がない限り、単に訴訟だけで受信料をちょうだいするとは考えていない」と訴訟の乱発を否定。「判決でも双方の意思表示の合致が必要とされている。これまでの通り、丁寧に説明する姿勢に変わりはない」と強調した。
支払い義務が生じる期間について判決は、NHKが勝訴すれば、設置時にさかのぼって支払わなくてはならないとした。この点に関して、契約・徴収を管轄する砂押宏行営業局長が「例えば20年前から設置していますという申告があれば、公平負担の観点から払っていただくことになる」との原則を説明。一方で、「基本的にはお客様から設置の日を確認して契約を締結する」と話し、期間は視聴者の申告を基準にする考えを示した。
また、同局長は契約・徴収業務を委託している業者や個人に対し、6日中に、「判決は出たが、丁寧な説明を必ずやる。錦の御旗のようにして説明がおろそかにならないよう文書を出した」と明かした。(小峰健二)