火柱や火の粉を上げて燃える建物(14日午後11時31分、大分県別府市上田の湯町、読者提供)
大分県別府市上田の湯町で14日深夜、アパートなど計3棟が全焼する火事があり、15日午後にアパートの焼け跡から3人の遺体が見つかった。アパートの住人男性3人と連絡が取れておらず、別府署は、遺体はこの3人の可能性があるとみて確認を進めている。
署や市消防本部によると、119番通報があったのは14日午後11時20分ごろ。木造2階建ての「東京アパート」と、隣接する住宅2棟が全焼。隣り合う別の建物2棟も一部が焼けた。アパートが最も激しく焼けており、3人の遺体はその付近から見つかった。大分地方気象台によると、出火当時は乾燥注意報が市内全域に出ていた。
所在不明になっているのは、いずれも無職の窪田一義さん(69)と藤原裕二さん(63)、高崎砂男さん(79)。それぞれ単身でアパートに入居していた。
現場は、JR別府駅の西約200メートルの市中心部の住宅密集地。約800メートル離れた場所では、2月に4棟が全焼して3人が死亡する火災があった。
市によると、戦災を免れた市中心部は古い街並みが残り、住宅が狭い路地をはさんで隣り合う密集地が多い。市は今回の火災現場も含めた駅周辺の地域を、建物の新築、増改築時に耐火構造にすることが必要な「準防火地域」に指定していた。
市の説明では、所在不明の3人はいずれも生活保護を利用していた。このアパートの家賃は月約3万円。