煙を上げる風俗店と消火活動にあたる消防隊員ら=17日午後、さいたま市大宮区(読者提供)
17日、さいたま市大宮区であった風俗店の火災。繁華街に煙が立ちこめ、周囲は騒然となった。
風俗店で火災、4人死亡1人重体 さいたま・大宮
「死ぬんじゃないかと思うくらいびっくりした」
近くの建物にいた女性(24)が異変に気づいたのは午後2時過ぎ。窓のすき間から焦げた臭いが漂った。しばらくすると煙が押し寄せ、女性が働く建物の廊下にも煙が充満。火災報知機のベルが鳴り響き、階段で逃げて外に出た。「逃げる途中、前がかすむほど煙が建物内に充満し、息苦しかった」と言う。
現場周辺は3~4階建てのビルがひしめき合い、風俗店のネオンや看板が目立つ。付近の風俗店関係者によると、主に20~30代の女性が働いていたという。
「まだ女の子がいるんだ」。火災直後に駆けつけた男性は、従業員と思われる男性がそう言って、中に入っていくのを目撃した。近所の女性会社員(30)は、すすで真っ黒になった人たちが救急車で運ばれる様子を見たという。
現場近くのレコード店にいた40代男性は「ボンボン」という音を4回ぐらい聞いた。「煙の量がはんぱなくて、全く建物が見えないときがあった。風が吹いて、何が起きたのかはっきり分かった」と話した。
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過去の風俗店関連の主な火災
●2008年4月 札幌市中央区のソープランドから出火。20~36歳の従業員ら男女3人が死亡
●2008年3月 名古屋市南区のビル3階の風俗店から出火。従業員の33~48歳の男性3人が死亡
●2007年10月 那覇市辻2丁目の雑居ビルから出火。風俗店従業員の女性(17)ら男女3人が死亡
●2006年11月 長野市鶴賀権堂町の雑居ビルから出火。1階の風俗店の事務所にいた従業員の女性(27)が死亡
●2001年10月 東京都新宿区歌舞伎町の雑居ビル「歌舞伎町三洋ビル」5階の風俗エステ店「ひまわり」から出火。男性(55)ら2人が死亡
●2001年9月1日 午前1時ごろ、新宿区歌舞伎町の風俗店などが入った雑居ビル「明星56ビル」から火災。飲食店従業員ら44人が死亡
※年齢は当時