普天間飛行場の滑走路上では飛行を再開した米軍の大型ヘリコプターCH53Eがホバリングしていた=19日午後3時3分、沖縄県宜野湾市、長沢幹城撮影
米軍の大型ヘリの窓が落ちてきた沖縄県宜野湾市の普天間第二小学校に、「仕方がないだろう」「やらせだ」などと中傷する電話が相次いでいる。市教育委員会によると、19日までに24件あり、市教委幹部は「あまりにひどい」と嘆く。
米軍ヘリ部品発見の保育園、中傷メール・電話が相次ぐ
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市教委によると、中傷電話は事故翌日の14日が13件と最も多く、その後も1日2~3件ある。米軍が窓を落としたことを認めているにもかかわらず、「事故はやらせではないか」などと中傷する内容もあった。東京在住と説明した男性は「沖縄は基地で生活している。ヘリから物が落ちて、子供に何かあっても仕方ないじゃないか」と言ったという。
18日には、謝罪に訪れた米軍大佐が「最大限、学校上空は飛ばない」と告げたことに、喜屋武(きゃん)悦子校長が「最大限ではなく、とにかく飛ばないでほしい」と反発し、文書での回答を求めたが、これに対しても「校長のコメントは何だ。沖縄人は戦闘機とともに生きる道を選んだのだろう」と批判する電話があった。
沖縄の県民総所得に占める軍関係収入の割合は5・7%(2014年度)だ。市教委幹部は「県外に実情が伝わっていない。応対した教職員が一人で抱え込まないように、心理相談も受けさせている」という。
宜野湾市内では7日に保育園の屋上で米軍ヘリの部品が見つかったが、この保育園に対しても「自作自演だ」などと中傷するメールや電話が相次いでいた。(小山謙太郎)