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東京五輪を宇宙から応援 元J1川崎の知恵袋が奔走

作者:佚名  来源:asahi.com   更新:2017-12-27 11:44:19  点击:  切换到繁體中文

 

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宇宙飛行士の野口聡一さん(右)と大会組織委の森喜朗会長=東京都港区


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2020年東京五輪・パラリンピックを宇宙から応援する――。こんな壮大な企画が20日に公表された。宇宙航空研究開発機構(JAXA)に加え、人気漫画「宇宙兄弟」の作者、小山宙哉さんが協力。異色のコラボの裏には、今季サッカーJ1を制した川崎フロンターレで独特の企画を考えてきたアイデアマンの存在があった。


「宇宙兄弟×JAXA。どこかで聞いたことあるな…(中略) 元プロモ部長だったあの男の臭いがプンプンする」。20日に企画が公表されると、川崎のMF中村憲剛はツイッターで、こうつぶやいた。


「あの男」の正体は、川崎の元プロモーション部長で、4月から大会組織委イノベーション推進室に出向中の天野春果さん(46)。宇宙との特別コラボは、天野さんが組織委で手がけた企画の第1弾だ。


発想のきっかけは、川崎時代から築き上げた人脈にあった。


2012年8月。当時、観測隊として南極に赴任していた川崎市民をきっかけに、南極からの始球式(スタジアムのビジョンで中継)を実現させた。夏場の一戦を「難局物語」と位置づけた企画は成功。サポーターからこう言われた。


「地球の最果てでやったので、次は宇宙ですね」


聞いた瞬間、「面白いじゃん!」とひらめいた。ただ、JAXAに知り合いもいなければ、あてもない。お願いに行っても、何度も門前払いされた。「そもそも世界的な研究をするのが仕事。たかだかJリーグの1クラブでやりたいといっても、規模が違った」


知り合いの知り合いを紹介してもらい、ようやく企画が実現したのは4年後。16年8月に本拠地・等々力陸上競技場と国際宇宙ステーション(ISS)をつなぎ、滞在する宇宙飛行士の大西卓哉さんと交信をした。


天野さんのモットーは「スポーツの力でみんなが幸せになること」。川崎では、相撲部屋の塩ちゃんこを競技場でふるまったり、小学生用の算数ドリルを作ったり。どれも最初は「やめたほうがいい」「選手に負担になる」などと反対されたが、結果を出すことで周囲を納得させてきた。


「形になって、初めて評価がつくもの。企画を見て、オリンピアンになりたいと思っても、宇宙飛行士になりたいと思ってもらってもいい。スポーツは何とでもつながれることを証明したい」


一方で、川崎時代とは違う難しさも感じている。与えられた時間は残り1千日を切った。ノウハウもなく、ゼロから始まった大会組織委で思い描いたプランがなかなか実現できず、胃を痛め、眠れなくなる日もある。「川崎時代は、どんなイベントでも実現するには最低でも2年かかった。フルスロットルでやらないと、自分のやりたいことはできない」


ただ、どんなにハードルが高くても、こう思う。


「面白いことをやるには、絶対苦しみはついてくる。そうじゃないと、面白くないから」


宇宙とのコラボ企画は、内容はまだ公表されていない。14年のソチ五輪では、ロシアのソユーズ宇宙船に聖火が渡った。ヒントを尋ねると、こう笑った。


「まあ、楽しみにしていてくださいよ。ただ、1回やったことをやらないのが僕ですから」(照屋健)



2020年の東京五輪・パラリンピックは「史上最もイノベーティブな大会」をうたう。天野さんが在籍する「イノベーション推進室」は4月に完成したばかりの新しい部署だ。


イノベーションといえば、人工知能やVRなどの最新技術を使ったものを思い描く人も多いだろう。だが、それだけではない。今回の企画のように、発想と人脈で新機軸を打ち出す「イノベーション」を五輪本番までにもっと見たい。




 

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