ロシアのインタファクス通信は28日、来年同国で開催されるサッカーW杯の期間中、航空会社「アエロフロート」がロシア代表を応援するロシア人サポーター全員を対象に、試合が行われる都市までの航空券を片道5ルーブル(約10円)で販売すると伝えた。同社のサベリエフ社長がプーチン大統領と会談し、伝えたという。
ロシア代表は6月14日に行われる開幕戦の対サウジアラビア戦など1次リーグ3試合をモスクワと第2の都市サンクトペテルブルク、南部サマラで戦う。試合前と試合後のそれぞれ3日間の航空券を買うロシア人サポーターが対象で、アエロフロートは利用者7万人を見込む。サベリエフ社長はプーチン大統領との会談で「ロシア代表が決勝まで進めばこの数はさらに増える」と話したという。
2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪ではロシアは組織ぐるみのドーピング違反を理由に代表派遣を禁止され、個人参加の選手も国旗や国歌、ロシアの国名を目立たせたユニホームは使えない。このため、政権は地元開催のサッカーW杯に愛国心発揚の期待を込める。
会談ではサベリエフ社長がプーチン大統領に「いい考えがある」と話し、「サポーターを無料で運ぶのか」とたずねる大統領にこの計画が伝えられたという。アエロフロートの株式の51%はロシア政府が保有する。(モスクワ=喜田尚)