年内最後の対局に勝利した将棋の藤井聡太四段。手前は豊川孝弘七段=大阪市の関西将棋会館、佐藤圭司撮影
将棋の中学生棋士、藤井聡太(そうた)四段(15)が28日、大阪市福島区の関西将棋会館で年内最後の対局に臨み、豊川孝弘七段(50)に勝ち、公式戦29連勝と大活躍した2017年を白星で締めくくった。日本将棋連盟によると、藤井四段の通算成績は55勝10敗となった。
名人への道 藤井聡太
将棋界に八つあるタイトル戦の一つ、王座戦(日本経済新聞社主催)の1次予選の一局。午前10時に始まった対局は、午後9時34分、先手番の藤井四段が109手で勝った。
終局後、藤井四段は「今年は、29連勝で多くの人に注目していただくなど、いろいろな経験をすることが出来て、とても大きな一年だった。来年も、今年の経験を糧として一歩一歩成長していきたい」と話した。来年1月14日、第11回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)本戦は名古屋市での対局となる。「地元・名古屋での公開対局で、大勢の方に見ていただける。全力を尽くして、いい将棋を指したい」と抱負を語った。
敗れた豊川七段は、11月に「豊川孝弘の将棋オヤジギャグ大全集」(主婦の友社)を出版した、ユーモアあふれる棋士。敗戦直後だったが、報道陣に感想を求められ、「夕食休憩前の端(の歩)を突いた手が甘かった。おしるこみたい」と答えた。
藤井四段の来年最初の対局は1月6日、大阪・関西将棋会館で。王位戦で大橋貴洸(たかひろ)四段(25)と対戦する。
将棋界は年度ごとに記録を管理している。今年度のここまで(4~12月)の藤井四段の記録は、対局数55、勝数45と、いずれも2位以下を大きく引き離し、全棋士の中で単独1位だ。勝率8割1分8厘は、1戦1勝(勝率10割)の新人棋士2人を除くと、1位。驚異的な勝ちっぷりが止まらない。(佐藤圭司)