山口県内の市長選に立候補するため早期退職する県総務部長(60)のために、部下が県庁内で現金を集めていることが、県職員への取材でわかった。かかわった職員は「餞別(せんべつ)」と説明するが、「応援のため」という趣旨のことを言われた職員や5万円を出した人もいる。地方公務員法に抵触するとの指摘が出ている。
総務部長は31日付の退職願を出し、受理された。来年5月の防府(ほうふ)市長選に立候補する意向を示しており、すでに報道されている。
複数の県職員によると、現金を集めているのは、総務部の幹部ら。総務部だけでなく、複数の部局の幹部らに呼びかけている。
ある職員は、総務部の職員が職場に来て「餞別をするのですが、いかがですか」と打診され、「皆さん、どのぐらい」と尋ねると「5ぐらいです」と言われ、5万円を渡した。別の職員は「今後を応援するため」という趣旨の説明を受けた。「選挙」という言葉は出なかったが、選挙への支援だと理解したという。
中心とされる幹部は取材に「プライベートなものなので、おたくに話す義務はないだろう」と答えた。総務部の別の職員は、集金について「餞別。部長には個人的にお世話になった人もいたので、有志でやっている」と話した。
別の県幹部は、早期退職する幹…