イラン各地で先月28日から続く物価高などに抗議する反政府デモで、デモ参加者の死者は1日午後現在で、計12人に上った。イラン国営テレビがイラン当局者の話として伝えた。ロハニ大統領は市民に自制を求めているが、収拾のめどは立っていない。
国営テレビによると、デモ参加者の死者は1日までに西部ハメダン州3人、中部イスファハン州3人、南部フゼスタン州2人、西部ロレスタン州4人の計12人。この中には、デモの最中の交通事故に巻き込まれた2人が含まれているという。ほかの10人は治安部隊との衝突の際に死亡したとみられるが、関与したのが治安部隊なのかどうかなどは判明していない。
地元メディアによると、1日までの逮捕者は300人を超えたという。ロハニ師は「抗議は法律の範囲内でなくてはならない」などと事態の沈静化を求めているが、1日もネット上では各地でデモが呼びかけられている。政府は断続的にテレグラムや他のSNSへの接続を遮断するなどして対応に当たっている。
イランでは先月28日以降、テレグラムなどでデモ情報が拡散し、全国に広がった。最高指導者ハメネイ師を批判するなど、反体制の色合いも濃くなってきている。
ロハニ師は1日、治安当局者らと会談。事態の早期収拾のための方策について協議したという。(テヘラン=杉崎慎弥)