イラン各地で12月28日から起きている物価高などに抗議する反政府デモに関連して、ロハニ大統領は31日、「人々は自身の意見を表明する権利がある」として理解を示すとともに、デモ隊に自制を呼びかけた。死者も出たデモの早期終結を目指したとみられるが、首都テヘランなどでは31日もデモが続いており、イラン全土に波及したデモが収束するかは不透明だ。
イラン大統領府によると、ロハニ師は31日の閣議で「批判を歓迎する」と表明。その上で、「問題の解決には時間が必要だ」と語り、物価高騰の抑制や雇用状況の改善に取り組む政府の政策に理解を求めた。
また「警察と治安部隊には、暴力的な手法を使わずに忍耐強くあれと求めている」と強調。一方で、「抗議は法律の範囲内でなくてはならない」として、違法で暴力的なデモは容認しない姿勢を示した。
28日に同国第2の都市・北東部マシュハドであった反政府の抗議デモは、イラン全土に拡大。最高指導者ハメネイ師を批判するスローガンも出ており、反体制デモの色合いも濃くなってきている。これまでに、西部ロレスタン州では治安部隊との衝突の際にデモ参加者2人が死亡した。地元メディアなどによると、30日にテヘラン中心部であった1千人規模のデモでは、公共の建物に被害を与えたなどとして、警察当局が約200人を逮捕したという。
デモは、インターネット上のS…