ミスがあった入試問題とその答え
大阪大の入試で誤りがあり、本来合格の30人を不合格にしていた問題で、阪大は12日、西尾章治郎総長と理事、監事ら計10人が月額の役員報酬1割を3~1カ月分自主返納すると発表した。また同日付で、出題と採点の誤りや、外部の指摘に対応が遅れた経緯を調べる検証委員会を設置した。
「阪大の解答例で良い」 外部からの指摘、何度もスルー
責任を明らかにするとして、西尾総長が1割を3カ月分、理事・副学長7人と理事1人が1割を1カ月分返納。このほか、常勤の監事1人も1割を1カ月分返納する。検証委は理事ら学内の3人と、弁護士ら学外の2人の計5人でつくり、遅くとも年度内をめどに報告書をまとめる。
また、再発防止のため、15日付で理事や教員ら学内のメンバーでつくる二つの委員会も設ける。「再発防止対策検討委員会」では問題作成やチェック態勢を検証し、他大学の事例も踏まえて対策をつくり、可能なものは今年の入試から実行する。
「出題検証小委員会」では過去の入試問題も含め、外部の指摘に対して速やかに情報を共有して検証。試験終了後から合格者判定までに問題や解答を改めて点検し、予備校などが公表する解答速報も参考にする。
複数解答に至った理由は?
大阪大が入試ミスで本来合格の30人を不合格にしていた問題で、阪大は12日、設問の誤りについての説明資料を発表した。一般的でないケースを前提に問題が作られ、その場合の解答のみ当初正しいとしていた。
ミスが起きたのは、昨年2月に実施された一般入試前期日程の理科(物理)。U字型の「腕」が振動して音波を出す「音叉(おんさ)」を使う設問。音叉が直接発した音と、壁に反射した音が重なり、大きくなる現象の関係を求める。
資料によると、振動は主に腕が互いに逆向きに振れる時(Aモード)と、同じ向きに振れる時(Bモード)の2種類ある。「音叉の基本的な振動は一般にAモードで、実験的に観測されやすい」と説明している。
どちらのモードで解くかで答え…