浪人を経て早稲田大に入学、自身の受験時代を振り返る現在3年生のタレント・谷まりあさん=東京都渋谷区、仙波理撮影
高校2年生の時から「私立大のトップレベル」の早稲田大に憧れていました。私は目標を高く設定するタイプ。やれるだけやろうと思いました。
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でも、現役の時、早稲田は不合格。中学生の時に始めた芸能活動もできなくなっていて、ショックは大きかったです。母とじっくり話し合い、やはり4年制大学へ行った方が将来の道がたくさんある、と思いました。合格していた私立大はあったけれど、早稲田でなければ後悔すると思ったし、私の姿を見せることで妹や弟の見本になりたいと思いました。仲良しの女友達の中で、浪人は私だけでした。
浪人中、朝9時から夜7時ごろまで塾で勉強していました。今考えたら、すごい生活ですよね。夏ごろ、自分を見失いそうになりました。芸能界で活躍している友達はキラキラ輝いて見えるのに、私は事務所にも学校にもどこにも所属していなくて、何者でもない。
勉強をやめたいならやめられる。でも、何かを諦めたのに芸能界でうまくいくかというと、そんな甘いはずはない。受験は人生の通り道の一つだと思った時に、ここで諦めたくないと思いました。
それからは、毎週日曜日は友達と遊ぶことでリフレッシュしていました。浪人時代、メイクや服に一番こだわっていたかもしれません。先生に「ここは塾だよ」と言われても、ファッションは好きだし、自分を甘やかしたくなかった。人と比べることはしないし、それが私のスタイルなんです。
写真を投稿するインスタグラムだけを見ていた友達は、「谷はもう(合格は)無理だろう」って思っていたみたい。それが悔しくて、浪人中、特に国語は基礎にかえってやり直しました。最初は嫌だったけれど、スランプに陥った時には簡単な問題に戻ることも必要です。
そして、自分の成績とよく向き合って、勉強内容を振り返っていました。もうすっかりその癖がついていて、今は仕事でも、写真の映り方や自分自身の見せ方を、すぐに振り返るようにしています。
受験する時は、目標設定を大学にしがちです。私もそうでした。でも、自分のための受験なはずだから、他人と比べることはしないで。大学は、人生の通過点の一つで、自分の人生をプラスにするツールの一つ。自分の人生をどうしたいか考えるタイミングだと、私は思います。(聞き手・円山史)
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〈たに・まりあ〉 1995年、東京生まれ。早稲田大3年。雑誌「ViVi」専属モデル。「PARFUMS GIVENCHY」の日本アンバサダーや日本テレビ系「世界の果てまでイッテQ」などで活躍中。