葛飾北斎の作品「神奈川沖浪裏」にペンギン3羽を泳がせた「ペンギン浪裏」。1羽だけ、頭が富士山みたいに見える=長崎市宿町
食卓を囲むのはイエスと12人の使徒、ではなく、13羽のペンギン! 誰もが一度は目にしたことがあるような名画の中にペンギンが入り込んだユニークな美術展が長崎ペンギン水族館(長崎市宿町)で開かれている。その名も「ペンギン美術館」。28日まで。
レオナルド・ダビンチの名画「最後の晩餐(ばんさん)」を模して描かれたのは、「ペンギンたちの最後の晩餐(ばんさん)」。ムンクの「叫び」は「ペンギンの叫び」、「風神雷神図屛風(びょうぶ)」は「風ペン雷ペン」といった具合に、クスッと笑えるタイトルに。
約30点の展示品を描いたのは、「ペンギンパスティーシュ」絵師の松島佳世さん。パスティーシュとは、フランス語で芸術模倣の意味。松島さんは、数々の名画の中にペンギンがすみつく不思議な世界を表現した。水族館のペンギン飼育係、田崎智さん(33)は「なじみがある絵とペンギンとのコラボ。ちょっと笑って楽しんでほしい」と話している。
展示は水族館1階の多目的室で。無料(入館料は必要)。21日午前11時と午後2時からは、松島さんのギャラリートークがある。定員は各回30人。問い合わせは、長崎ペンギン水族館(095・838・3131)へ。(田中瞳子)