沖縄県で相次ぐ米軍機事故についての内閣府副大臣のヤジ問題で、安倍晋三首相が29日、国会で謝罪した。同県名護市長選で米軍基地問題が焦点になるタイミングで飛び出した不適切発言。政権は副大臣を交代させてトップが非を認め、傷口を最小限に抑えたい考えだが、野党は追及を強めている。
副大臣ヤジ、首相が謝罪 「沖縄の皆さんに深くおわび」
【超解説】国会質問、スキャンダルも「まじめに議論」する理由
松本文明副大臣が衆院本会議で米軍機事故などを取り上げた野党議員に対し、「それで何人死んだんだ」とヤジを飛ばしたのは25日。翌26日には辞表を提出し、受理された。
週が明けた29日の衆院予算委。政権を支える与党・自民党が火消しに走った。
福井照氏は質問冒頭でこの問題を取り上げ、「発言は決して(党の考えと)相いれられるものでない」と批判。沖縄が地元の国場幸之助氏も「不適切な発言が議場で行われ大変遺憾。県民の心は深く傷つけられた」。首相は「沖縄の基地負担軽減を始め、これまで以上に気を引き締めて取り組む」と応じた。
名護市長選は28日に告示され、2月4日が投開票日だ。安倍政権は米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を推進し、反対する翁長雄志知事と対立。市長選は、翁長氏とスクラムを組む現職と、政権が全面支援する新顔が激しく争う構図になっている。
政権が「負担軽減」を訴える中…