ソチ五輪後に、インタビューに応じる平野歩夢選手
(14日、平昌五輪・スノーボード男子ハーフパイプ)
スノーボード男子ハーフパイプの結果
平野歩夢が2大会連続の銀 Sホワイトが金 スノボHP
平野歩夢の選手紹介ページ
五輪2大会連続で銀メダルを獲得した平野歩夢は15歳で出た前回のソチ大会で「冬季五輪の日本選手史上最年少でのメダリスト」になった。当時、ソチから帰国して約1週間後、インタビューをさせてもらった。15歳ということもあり、最初の質問は決めていた。
ソチ帰国、最初の質問は
「実家のご飯、どうだった?」。帰国直後の成田空港で「早く日本に帰りたかった。うちのご飯が食べたい」と言っていたからだ。
「おいしかった。いつもに帰ってきた感じですね」。15歳らしい無邪気な笑顔を見せたのは、このときだけだった。
2位が決まった時の感想を聞いた。「心の中ではすごいうれしかったんですけど、体に全然現せなくて。『イエーイ』みたいなのしないタイプなんで」
クールな表情に時々まざるのは、照れ笑いか、苦笑い。声はか細かった。「もう少し頑張っていたら、金(メダル)にいけたのかな」。「うーん、銀をとったから、金もとりたいという気持ちも、まだちょっと残っている」。どう喜んでいいのか、分からない――。質問に答える平野は、そんな感じだった。
一つ、即答した質問がある。世界一とは、と尋ねたときだった。「五輪で優勝したから世界一、じゃないと思う。Xゲームズとかの方がレベルが高いというのもある」
銀メダル「大きいっすね」
小学4年生で用具メーカー「バートン」とスポンサー契約を結び、国内外の大会に参戦。中学生ながら、五輪メダリストになる前から世界に認められていた。平野は、五輪を軽視するわけではないが、特別視もしていなかったのだろう。
ソチでの競技中の感想も、淡々と語った。「すごく楽しかった。(他の選手は)がちがちで本気で気合を入れているなぁって、熱気を感じた」
インタビューの終盤、平野がつぶやいた。「今、思えば相当な価値があったんだなって」。そして、銀メダルを持ち、「大きいっすね。結構、思っていたよりも。オリンピックだなって感じ」と言った。「ちょっと悔しいから、次もがんばりたい」
五輪メダルの色は前回と変わらなかった。19歳になり、大人びた平野はどう思うのだろうか。帰国したら聞いてみたい。(小俣勇貴)