20日の個人ラージヒルでの渡部暁斗のジャンプ。個人戦同様、団体戦でも日本はジャンプでどれだけ飛距離を出せるかが鍵になる
ノルディックスキー複合の団体は22日午後4時半から前半ジャンプ(HS142メートル)、同7時20分から後半距離(20キロ)がある。同じジャンプ台を使った20日の個人ラージヒル(LH)で表彰台を独占したドイツが優勝の大本命。日本は金メダルは厳しいが、好調なジャンプを武器にメダル争いに絡めそうだ。
日本はLHに出た渡部暁斗、弟の渡部善斗(ともに北野建設)、永井秀昭(岐阜日野自動車)、山元豪(ダイチ)が出場する。走力が欧州勢と比べて劣るため、戦略はノーマルヒル銀メダルの渡部暁が狙った「先行逃げ切り」と同じだ。前半のジャンプでライバル国からどれだけリードを奪えるかにかかっている。河野孝典コーチは「ドイツは別格だが、他とは戦えると思っている。2番手につけられればいい」。
LHで1位の134メートルを飛んだ渡部暁ら4人のジャンプの得点を合計すると、495点。ドイツの518・4点に次ぐ2番目となる。団体では、ジャンプでの1点は距離で約1・3秒に換算。それを当てはめれば、3番目のオーストリアに約30秒、4番手のノルウェーに約40秒差と、十分なリードとは言えない。1994年リレハンメル五輪以来のメダルを獲得するためには、ジャンプでより好成績を出す必要がある。(勝見壮史)