競技を終え、スタンドの両親に出迎えられて涙がこぼれる岩渕=22日、アルペンシア・ジャンプセンター
小柄な16歳の活躍に、スタンドが沸いた。22日、スノーボード女子ビッグエア決勝で4位に入った岩渕麗楽(れいら、16)。スタンドに両親や祖父母らが応援に駆けつけた。
女子ビッグエア、16歳岩渕が4位 藤森7位、鬼塚8位
練習は週末だけ、往復に2時間 岩渕、ハンディ越え成長
「小学生と間違われる」4位岩渕、小さな体に大きな勇気
4位で迎えた最後の3本目。直前で3位の選手が着地に失敗し、メダルへの期待が高まった。「立ってくれー!」と祈るような声援が飛ぶ。
最後に挑んだのは、大技「バックサイドダブルコーク1080」。高いジャンプからきれいに回転する。だが着地が乱れ、会場からはため息が漏れた。あと一歩、表彰台には届かなかった。
世界と渡り合った娘の姿を見届け、母の恵里香さん(44)は「自慢の娘です。海外の大会に出るようになり、本当に成長した」。客席の最前列に向かい、戦いを終えた娘を待った。
取材を終えた岩渕に「麗楽!」と大声で呼びかける。駆け寄ってきた娘に、母は「カッコよかったよ。本当によかった」と何度も繰り返した。「勝てなかったー」と悔しがる岩渕の目から、涙がこぼれた。
普段は人前で泣いたりしないという16歳。父の和宏さん(43)は「この涙はきっと、今後につながる。1年前にはこんなことは考えられなかった。もっと大きく成長して欲しい」と話した。(高野遼)