名古屋を拠点に活動するアイドルグループ「Sparky Shadow」。ファンとの握手やハイタッチは禁止だ=名古屋市
ファンとの距離の近さを前面に出して、ライブハウスなどで歌う「地下アイドル」。華やかな舞台の裏で過剰にも見える客との「接触」で収入を得る実情がある中、客との握手も禁じている芸能事務所が名古屋市にある。「夢を追う少女の『性』を売り物にしたくない」との信念からだ。
♪過去の記憶 全部消したくなる時もある けどね二度と変えられないなら進むしかないでしょう
名古屋を拠点に活動する女性アイドルグループ「Sparky Shadow」。市内のライブハウスで「My dream」という曲を歌った。
作詞作曲は、グループが所属する芸能事務所「アーティスト・サポート・プランニング」を営む伊藤恵(けい)さん(31)。自らも10代の頃から歌手として夢を追いかけてきた。
20歳で渡米し、教会で歌ったり、ボーカルレッスンに通ったりして歌に磨きをかけた。帰国後は、若者の集うクラブでヒップホップやR&Bなどを歌った。
あるとき、自称プロデューサーの男に「君、売れるんじゃない?」と声をかけられた。「200万円の利益を上げたら全国に流通するCDを出す」との約束を信じたのに、売り上げは巻き上げられ、CD制作の名目でお金まで取られた。
同じライブイベントに出演した地下アイドルたちからは、自称プロデューサーやほかの男性スタッフらから「上に行くためだ」と性交渉を強要されたり、ひわいな写真を撮られたりした話も耳にした。
地下アイドルの大きな収入源は…