事故が起きたベビーゲート
乳幼児がいる家庭で使う安全グッズ。危ない場所に近づけないためのゲートや、感電を防ぐためのコンセントキャップといった商品がありますが、予防したい事故とは別のリスクもあります。専門家は「より安全な製品の開発が必要」と指摘します。
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千葉県に住む女性(31)は昨年秋、自宅で「ガシャン」という大きな音と、生後半年だった長男の泣き声を聞いて驚いた。子どもがキッチンに入らないように設置していたベビーゲートの扉と床に接する土台の間に、長男が左手小指を挟み、出血していた。
女性がキッチンから食器を運ぶために扉を開けていた際、長男がずりばいでゲートに近づいたのを見た長女(3)が、扉を閉めたとみられる。長男は指を2針縫い、治るのに約3カ月かかった。
このゲートのメーカーによると、子どもがけがをしないよう、「扉の開閉の際は、近くにお子さまがいない事を確認してください」と取り扱い説明書で注意を呼びかけている。女性は「自分が気をつけておけば」と振り返る一方で、「朝忙しいときは、子どもをずっと見ているのは難しい」。
子どもの事故予防を研究する産業技術総合研究所の首席研究員・西田佳史さんは、保護者の見守りで事故を防ぐのは限界があると指摘。子どもがけがをしたり、ひやりとしたりした事例をメーカー側に積極的に伝え、「生活者と企業が一緒に製品を企画したり、改善策を考えたりする活動に生かすことが大切です」と話す。(滝沢卓)
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