メタボが心配なカープちゃん=光市
頭部の赤いCマークが人気のコイ「カープちゃん」が太り気味だ。山口県光市の冠山総合公園・修景池で2年前に「発見」されて以来、広島東洋カープのファンらに可愛がられている。うれしい悩みがエサのプレゼント攻勢で、市観光協会は「メタボがちょっと心配」と気をもんでいる。
特集:どうぶつ新聞
「梅まつり」最終日の4日。汗ばむほどの陽気に誘われ、修景池にはたくさんの人たちが訪れていた。
だが、コイたちはなぜかよそよそしい。閑散期なら人の気配を感じただけで一斉に近寄ってくるのに、池のほとりに立つ人々を見向きもせずに泳いでいる。
水面に浮かぶのは無数の食べ残しのエサ。そう、エサのもらい過ぎで、みんな満腹なのだ。
「コイさーん、これ欲しくないのー」。園内の売店で買ってきた100円のエサを投げながら、女の子が盛んに呼びかける。が、数匹が、仕方なさそうにあんぐりと口を開けるだけ。「しょうがないよー、ここのコイさん、おなかいっぱいなんだもん」。お母さんがなだめている。
市観光協会によると、前日も多くの人が訪れ、大量のエサがまかれたらしい。大半はカープちゃん目当てだが、ほかのコイたちもご相伴にあずかって、「エサのバブル状態」を迎えたようだ。
すっかり太り気味のカープちゃん。ファンの落胆の声をよそに、この日はどこかに雲隠れ。たらふく食べて身動きがとれないのか、得意の「ハッスルジャンプ」も見られなかった。
「長生きしてもらいたいので、あまり太ると心配。低カロリーのエサも考えなくては」と担当者。(三沢敦)