マクマスター米大統領補佐官(国家安全保障担当)は12日、ニューヨークの米国連代表部で開いた国連安全保障理事会の理事国や日本、韓国の国連大使との非公開の会合で、米朝首脳会談の開催方針などを説明した。会合後、「非核化に向けた真の前進があるまで、圧力の最大化キャンペーンを続ける決意を確認した」と記者団に述べた。
会合でマクマスター氏は国際社会による圧力の最大化が「歴史的な会談を成功に導く必須の要素だ」と強調し、各国に対北朝鮮制裁を厳格に履行するよう協力を求めた。
北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)・朝鮮労働党委員長は韓国高官に対し、核実験や弾道ミサイル発射を凍結し、非核化に取り組むことを確約したとされる。マクマスター氏は、制裁決議採択で安保理が団結したことで「朝鮮半島の完全な非核化に向けた外交的解決を模索できるまでになった」として、トランプ大統領から各国に感謝するよう指示されてきたという。
対北朝鮮制裁の交渉を主導してきたヘイリー米国連大使は「制裁に効果はないと何度も言われてきたが、これ(米朝首脳会談の開催方針)が効果の実例だ」と記者団に強調。「特に中国は非常に助けになり、協力してくれた」と、北朝鮮の主要貿易相手国である中国の役割を称賛した。
会合後、別所浩郎・国連大使は「有意義な会合でした」と記者団に述べ、会場を後にした。(ニューヨーク=金成隆一)