参院財政金融委に臨む麻生太郎財務相(中央)。右奥は財務省の太田充理財局長=15日午後0時57分、岩下毅撮影
財務省が森友学園との国有地取引の決裁文書を改ざんしていた問題で、麻生太郎財務相は15日の参院財政金融委員会で「他の局で同様な事案があるか再確認するよう申し渡している」と述べ、省内の理財局以外の部局でも改ざんがないか調べる考えを明らかにした。自民党の西田昌司氏の質問に答えた。
今回改ざんがあった14件の文書のうち1件は、約3年前にも添付されていたメモが決裁後に抜き取られていた。西田氏は「書き換えは日常的に行われていたのでは」と指摘。麻生氏は「制度の見直しの必要があれば、必要な対応は行わねばならない」と述べた。
一方、与野党は15日の参院予算委員会の理事会で、安倍晋三首相や麻生氏が出席する集中審議を19日に行うことで合意した。麻生氏は19日からアルゼンチンで開かれる主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に出席する予定だったが、取りやめることになった。
与野党は集中審議の結果を踏まえ、改ざん当時の理財局長だった佐川宣寿・前国税庁長官に対する証人喚問の実施を決める見通しだ。実施時期をめぐっては、野党側は来週にも行うよう要求しており、与党側と調整が続いている。野党側は首相の妻昭恵氏の証人喚問も求めているが、与党側は拒否している。
また、佐川氏の国会招致の見通しが立ったことで、立憲民主、民進など野党6党は16日から順次、審議に復帰する。(山岸一生)