閣議後、記者の質問に答える麻生太郎財務相=27日午前8時47分、首相官邸、岩下毅撮影
女性記者にセクハラ発言を繰り返したと報じられて辞任した財務省の福田淳一・前事務次官について、麻生太郎財務相は27日の閣議後会見で、近く処分を実施する考えを明らかにした。処分の重さ次第で福田氏の約5300万円に上る退職金も減額される見通し。
福田氏が否定するセクハラ行為の有無は確認できていないが、財務省の調査に福田氏が女性記者との面会を認めたことや、国会運営などの混乱を招いたことなどから、何らかの処分が必要と判断したという。
麻生氏は会見で「処分は早急に実施したい」と明言。「セクハラの事実認定はできないが、(福田氏と被害者の女性の)二人が面会した事実までは福田(前)次官も認めた。そういったことに基づいて、迷惑をかけたことに関して事実認定した」と処分の理由を述べた。今後、福田氏のセクハラ行為が認定されれば、追加の処分も検討するとした。
福田氏の退職金の扱いについては、「ルールに基づいてやる」と述べた。財務省は14日に福田氏が辞任する際、今後の調査で懲戒処分相当と判断した場合、退職金を減額することを福田氏に了解させたとしており、処分の重さ次第で退職金を減額する方針。
福田氏はセクハラ報道に伴う混乱を受け、「職責を全うできない」として18日に辞任を表明。24日に正式に辞任したが、セクハラ自体は否定していた。このため、財務省は24日の時点では処分を行わず、福田氏から女性記者がセクハラを受けたというテレビ朝日に調査への協力を呼びかけ、福田氏への聞き取りも続けていた。
発端となった12日発売の週刊新潮によると、福田氏は女性記者に対し、飲食店で「胸触っていい?」などとセクハラ発言を繰り返したとされている。