福岡市内で起きたひったくり事件の主な現場
福岡市中心部でひったくり被害が相次いでいる。昨年末から28日までに福岡市中央区や博多区などで計41件(未遂も含む)発生。天神や中洲地区周辺の裏通りなども含まれており、目撃情報も寄せられているが、捜査は難航している。
福岡県警によると、昨年12月中旬から被害が目立ち始めた。福岡市中央区が特に多く、全41件のうち29件を占めた。3月25日夜にはわずか40分ほどで6件発生。原付きバイクで歩行者に背後から近付いてバッグなどを奪う手口で、被害者のほとんどは女性だった。
28日未明にも中央区大名1丁目の路上で20代男性2人が、また同日午前8時55分ごろ、博多区博多駅南2丁目の路上で20代男性が相次いで被害に遭った。いずれもズボンの後ろポケットから財布を引き抜かれた。
事件の発生時間帯は午後8時~同10時ごろに集中している。被害額の大半は1件あたり数千円~数万円だが、昨年12月に博多区上川端町の路上で起きた事件では、飲食店経営の男性(30)が店の売上金125万5千円が入ったバッグを奪われた。被害者が転倒してけがをしたケースもある。
周辺では、1人か2人でバイクに乗り、フルフェースのヘルメットをかぶった姿が目撃されている。県警は防犯カメラの解析などを進めているが、捜査幹部は「目撃情報はあいまいなものも含まれ、カメラも不鮮明な画像が多い」という。
県警はひったくり被害への予防策も呼びかけている。道を歩く際は車道とは反対側に荷物を持つ▽歩きスマホをしない▽バイクが後ろから近づいてきたら振り返る▽人通りが少ない暗い道は歩かない――などがポイントだという。