愛称が「縄文 くらら」に決まった板状立脚土偶(野辺地町立歴史民俗資料館提供)
青森県野辺地町で出土し国の重要文化財にも指定されている縄文時代後期の板状(ばんじょう)立脚土偶の愛称が公募で「縄文 くらら」に決まった。二本足で立つ姿から、アニメ「アルプスの少女ハイジ」で有名なフレーズ「クララが立った」を意識した愛称だという。
展示している町立歴史民俗資料館学芸員の山崎杏由さん(31)によると、北は北海道から南は長崎県まで266点の応募があった。中谷純逸町長や発掘者の瀬川滋さんら5人の審査委員によって、福島県いわき市の堀卓さん(45)の応募作が選ばれた。そのほか、板状立脚土偶に絡めた「バンジョリーナさん」も候補に挙がったという。
土偶は現在、レプリカ製作のために埼玉県に移されているが、4月下旬に戻ってくる予定。新しい愛称で「合掌土偶」や「遮光器土偶」といった県内の人気土偶の仲間入りができれば、と期待が高まっている。
高さ約32センチの土偶は20年前に町の有戸鳥井平4遺跡から出土した。立つ姿が珍しいとイギリスの大英博物館で展示されたこともあり、2012年に国の重要文化財に指定された。(板倉大地)