智弁和歌山―大阪桐蔭 七回裏大阪桐蔭1死二塁、宮崎は勝ち越しの左前適時打を放つ。捕手東妻=加藤諒撮影
(4日、選抜高校野球・決勝 大阪桐蔭5―2智弁和歌山)
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要求したチェンジアップが浮いた。詰まり気味のライナーが遊撃方向に飛ぶ。智弁和歌山の捕手・東妻は「打球がゆっくりに見えた。晋太郎(西川)、捕ってくれと思ったんですが」。同点の七回1死二塁。打球はジャンプした遊撃・西川の頭上を越え、左前へ落ちる適時打に。これが決勝点だった。
2試合連続で激しい打ち合いを制してたどり着いた決勝は一転、ロースコアの展開になった。2年生捕手は、上位打線相手に、1巡目と2巡目で直球、変化球の配球を正反対にするなど工夫した。四回は無死満塁のピンチを迎え、失策絡みで失点したが、同点で踏みとどまった。
同校OBでプロ野球阪神などで捕手だった中谷コーチは「崩れた試合をしたと思えばビシッとした試合をする。これが高校生ですね」と短期間でのバッテリーの成長に目を細める。
東妻はバットでも四回に先制の2点適時打。だが、「投手に低い球を意識させられなかった。大阪桐蔭との距離もまだまだ(遠い)」と決勝点を失った場面を強く悔やんだ。
好投手相手に大量点は望めない。準決勝までの乱打戦で負けていれば、実感できなかった1点の重み。それをライバル大阪桐蔭との決勝で、再確認できた。(坂名信行)