避難所となった市立大田小学校の体育館。暖を取りながら一夜を明かした=2018年4月9日午前8時25分、島根県大田市大田町大田、浪間新太撮影
9日午前1時32分ごろ、島根県西部を震源とする最大震度5強の地震があり、中国地方を中心に広い範囲で揺れを観測した。
食器散乱、床には亀裂…「こんな地震経験したことない
山陰に「ひずみ集中帯」存在か 島根地震、専門家が指摘
震度5強の揺れに襲われた島根県大田市。余震が続く中、住民たちは避難所に身を寄せ、不安な一夜を過ごした。水道管の破裂で断水し、市役所の給水所には早朝から列ができた。
避難所となった同市立大田小学校の体育館には、最大で74人の住民が集まった。立石美生さん(36)は夫と4人の子どもとともに避難した。「地域には高齢者が多い。自治会と連携し合って、避難が遅れそうな高齢者と一緒に来た」と話した。
最初の地震が収まった約20分後に避難所に着いた池田俊治さん(69)は「ミシッと音がして、すぐにドカンと揺れが来た。ずっと島根にいるが、こんな地震は初めて」と話した。
大田市役所では、壊れた家屋の応急処置のため、ブルーシートや非常用の飲料水が配られた。佐々木厚子さん(71)は、自宅の瓦の大部分がはがれ落ちたため、シートを受け取りに来た。「すごい揺れだった。とりあえずなんとかこれでしのぎたい」
市立病院では、地震の影響で一時、断水や暖房停止のトラブルに見舞われた。入院患者173人にけがはなく、体調不良を訴えた人もいなかったという。9日は急患などを除き、外来の受け付けを取りやめる。断水の間、自衛隊の給水車の支援を受けたという。島林大吾事務部長は「速やかに外来受付を再開できるように完全な復旧に努める」と話した。(浪間新太、杉山高志)