ローマの選手に囲まれるバルセロナのメッシ=AFP時事
(10日、サッカー・欧州チャンピオンズリーグ準々決勝 ローマ3―0バルセロナ)
リバプール、ローマが4強入り 欧州CL準々決勝
ローマの選手たちの歓喜の輪に目もくれず、試合終了の笛とともにバルセロナのエース、FWメッシは控室に向けて歩き始めた。うつむき、トボトボと。
前半からおかしかった。得意の左足のFKがゴール枠に飛ばない。3日前、スペインリーグでハットトリックを決め、38戦連続不敗のリーグタイ記録に貢献したすごみは消えていた。
4―1で大勝した第1戦の貯金を吐き出す屈辱の0―3での完敗。油断は禁物というサッカーの怖さをバルセロナの選手は身に染みていたはずだ。昨季の決勝トーナメント1回戦でパリ・サンジェルマン(仏)に第1戦で0―4と大敗しながら、第2戦で6―1と圧勝し、大会史上最大の逆転劇を演じた。今年のローマでの夜は立場が入れ替わり、悪夢を味わう側に回った。
致命的な3点目を後半37分に失った後、メッシは相手ゴール目前まで5人ほどを振り切り進んだが、シュートをけり損ねた。3季ぶりの優勝の望みが消え、イニエスタは「我々はまた失敗を犯した」。3季続けての8強止まりとなった。(稲垣康介)