ホテルでの接客実験に使われている人型ロボット「CommU(コミュー)」(左)と「Sota(ソータ)」=2018年4月18日午後、東京都渋谷区
サイバーエージェントと大阪大、東急不動産ホールディングスが、人型ロボットによるホテルでの接客実験に取り組んでいる。ホテル業界の人手不足や外国人観光客の急増に対応するのが狙いで、2020年の東京五輪前後に実用化することをめざす。
サイバーは昨春、アンドロイド研究の第一人者である石黒浩・阪大教授と、対話型ロボットの開発などについての共同研究を開始。今回、東京都港区にあるビジネスホテル「東急ステイ高輪」のエレベーターホールと廊下に3~4月の計24日間、高さ30センチほどの人型ロボットを計3体配置し、実際に接客させた。
ロボットは、人間が近づくと「こんにちは」「行ってらっしゃいませ」などと話しかける。宿泊者へのアンケートでは「廊下に知らない人がいると怖いが、ロボットなら威圧感がなく安心できる」と好評という。
石黒教授は「スタッフの数は減る一方で、外国人観光客は増え続けている。ロボットなら多言語対応も簡単」と利点を強調。今後は他の東急ステイにも置き、実験を積み重ねて技術を進化させる。将来的には、館内設備の案内や周辺飲食店の情報紹介、予約代行といったコンシェルジュサービスを担わせる考えだ。
サイバーも、ロボットを通じた新しい広告ビジネスへの進出を狙う。(上地兼太郎)