米国を訪問中の小野寺五典防衛相は20日午後(日本時間21日未明)、ワシントン近郊の米国防総省で、マティス米国防長官と会談した。北朝鮮の核・ミサイル開発の放棄に向け、圧力と制裁の強化を維持していく方針を確認。小野寺氏は米朝首脳会談で、日本を射程内に入れる短・中距離弾の廃棄を北朝鮮に求めるよう要請した。
会談でマティス氏は、6月初旬までの実現をめざす米朝首脳会談を念頭に、「平和に向けた新しい道を注意深く探っているが、同時に油断は許されない。引き続き、北朝鮮への最大限の圧力をかけ続けていく」と表明。北朝鮮が洋上で違法に物資を積み替える「瀬取り」の警戒監視を行っている日本に謝意を示し、「日米同盟は不可欠なものだ」と述べた。
小野寺氏は「(北朝鮮の)短距離・中距離のミサイルの放棄も重要だ」と強調。米英仏のシリア攻撃に触れて、「同じように大量破壊兵器を持つ北朝鮮に対しても、強いメッセージだった。北朝鮮が今の政策を変えることが重要だ」と述べた。
日米防衛相の直接会談は昨年10月以来3回目。小野寺氏はこの後、ボルトン大統領補佐官とも会談し、北朝鮮問題について意見を交わした。(ワシントン=藤原慎一、土佐茂生)