そらまMEN号の運行を前にした保育園でのお披露目会では、絵本を読む下吹越かおるさんのまわりに子どもたちが集まった=3月12日、鹿児島県指宿市 本を積んだ車で地域をめぐる移動図書館。戦後の復興期には地域の隅々に文化を届ける役割を担ったが、最近では、本をきっかけに人や地域をつなぐ機能に注目が集まる。「交流」「復興」「支援」という三つのキーワードで追った。 こんなにあるぞ移動図書館 離島結んだ船、今は飛行機も NPO法人「無本村なくしたい」 鹿児島県指宿市。池田湖畔の広場に7日朝、赤色とクリーム色のツートンカラーのワゴン車が入って来た。ベレー帽をかぶった女性たちが、書棚やイスを設け、絵本を並べていく。ブックカフェ「そらまMEN(めん)」号のオープンだ。 女性たちは、NPO法人「本と人とをつなぐ『そらまめの会』」のメンバー。本を貸し出すわけではないが、要望に応じて出向き、絵本の読み聞かせや読書会を開く。「そらまMEN」はこの日から運行を開始した。 会の理事長の下吹越(しもひごし)かおるさん(55)は、仲間たちと立ち上げたNPOで指定管理者として市立図書館を運営する一方、休館日などを利用し、ボランティアで「そらまMEN号」を運営する。 車や500冊の絵本、1年分の運営費などは全国487人からの寄付計約1200万円で賄った。インターネットで寄付を募るクラウドファンディングを使った。「『子どもたちに本を』と思う人がこんなにたくさんいた」と下吹越さん。熊本地震の被災地など九州を巡りながら、活動範囲を広げていく予定だ。「本との出会いは力になる。同じような活動をする人が各地に増えて『無本村』がなくなるといい」と話す。 戦後にルーツ、97年がピーク 日本での移動図書館の歴史は1940年代後半にさかのぼる。千葉県立図書館が49年に「ひかり号」で巡回をスタート。父親がひかり号の運転手をしていたことから図書館の研究もする考古学研究者の大岩桂子さんによると、GHQ(連合国軍総司令部)の払い下げトラックを改造、600冊の本を載せ、泊まりがけで県内を巡った。当時の運行日誌などを読み解くと、文化を普及させようというGHQの方針とも重なったという。 活動は各地に広がり、日本図書館協会によると、ピークの1997年には全国で計697台が運行していた。だが、図書館の建設が進むにつれて移動図書館は減り、2017年には541台になった。 それが、東日本大震災をきっかけに「役割が再び評価されるようになった」と指摘するのは、図書館の歴史に詳しい十文字学園女子大学の石川敬史准教授(図書館学)だ。NGOシャンティ国際ボランティア会の移動図書館は震災が起きた11年から昨年までの6年間、東北3県の仮設住宅を巡り、のべ5万5千人余りが計11万8千冊を借りた。 シャンティの広報担当者による… |
移動図書館、なぜいま注目? 震災機に再評価の動きも
新闻录入:贯通日本语 责任编辑:贯通日本语
相关文章
新疆の図書館、電子社会保障カードで本を無料貸出
石油会社、自動車会社、ケンタッキー……なぜタニシ麺に次々参入?
35歳が仕事探しの「年齢のレッドライン」になるのはなぜ?
WHOの専門家、中国の新型コロナワクチン評価データを高評価
北京の大規模PCR検査がスピードアップしたのはなぜか
中国宇宙ステーション、コアモジュールが出荷前の評価・審査に合格
化学方程式を使って生徒の評価コメントを書いた担任が話題に 江蘇省蘇州
WHOが中国製ワクチン2種類を評価中 「緊急使用リスト」入りを検討
世界銀行が2021年の中国経済成長率を引き上げたのはなぜ?
当たらないのについ買っちゃう!人々が「盲盒」に惹かれるのはなぜ?
【中国キーワード】ネット大手が続々参入するコミュニティの共同購入はなぜ人気?
国産品が海外ブランドの「包囲網」を突破 なぜこれほどブームに?
中国初のスマート返却図書館、ロボットが返却された本を仕分
寧夏回族自治区の貧困県全てが貧困脱却
在中国の外資系企業、中国経済の未来を高く評価
中国の陸地生態系の炭素固定能力が過小評価
チベットで絶対的貧困が消滅、歴史的出来事
中国全国の公共図書館が3196ヶ所に 約60倍増
「十分な資金がある」中国経済、なぜ外資導入に力入れる?
知ってる?中国で誕生している新職業(3)——高齢者能力評価士
ロケット打ち上げ、なぜ地上からではなく海上から?
北京に自由貿易試験区を建設へ なぜ北京か
中国8月の輸出が予想以上に改善したのはなぜ?
人民元レートが急上昇したのはなぜ?
TikTokがトランプ政権を提訴したのはなぜか?