新劇場で5年ぶりに営業を再開した御園座(名古屋市中区)。6月に俳優・滝沢秀明が座長を務める「滝沢歌舞伎」が名古屋で初めて上演される。「いつも以上に気合が入る」と語る滝沢に意気込みを聞いた。
滝沢歌舞伎
2006年に「滝沢演舞城」として東京で始まる。10年に現タイトルに。義経や鼠小僧といった芝居、殺陣、和太鼓演奏など和のエンターテインメントショーとして上演。国内では、名古屋が東京、福岡に続いて3カ所目となる。
――4月にこけら落としをしたばかりの御園座の開場記念公演となります。
普通の公演と違い、いつも以上に気合を入れ、お客さまを必ず笑顔にして帰っていただくという気持ちで挑みたい。お祝いの気持ちを込めた御園座バージョンを考えている。
――高麗屋の襲名公演、スーパー歌舞伎Ⅱ「ワンピース」に続く公演。期待をどう受け止めていますか。
今まで御園座に縁がなかったお客さまを誘導するのが僕たちの役割だと思っている。作品を通じて今まで以上に御園座が盛り上がる時間を僕らはつくらないといけない。
歌舞伎役者は、古典であれば古典の歌舞伎を守らなきゃいけない。僕らは延々とかみ砕けるし、延々攻めることができる。興味を持ったら本格的な歌舞伎、古典歌舞伎を見に行くというふうになれば、日本の歌舞伎や演劇が一つにつながっていくのかなと思う。
――古典、今風など歌舞伎をどのように捉え、歌舞伎を見せようとしていますか。
僕の中ではあまり分けていない。今も昔もなく、歌舞伎=エンターテインメントという解釈。当時も、奇抜な衣装を着た人たちによる娯楽の一つとして歌舞伎を見ていたと思う。今は「昔のもの」というイメージだが、当時では最新のもの。それを歌舞伎とみんな言っていた。そう考えると、最新のエンターテインメントを見せていくのが僕らの役割かなと思っている。
――どんな公演になりますか。
水(を使った演出)だったり、フライングだったり、太鼓(の演奏)だったり、今までやってきたあらゆる良いものを持ってきたい。自分たちを紹介できる演目、初めての方も楽しめる演目を用意する。今年はショースタイルにする。せりふがなくてもメッセージが伝わる演目だったり、ダンスだったりを取り入れようと思っている。
2020年に東京五輪・パラリンピックを控えている。歌舞伎という和物は、日本を代表する武器の一つでもあると思う。東京五輪に向けて外国の方が見ても楽しんでもらえる第一歩にしたい。
――V6の三宅健さんとの共演…